セルフメディケーション シリーズ 対談:食とセルフメディケーション

セルフメディケーション シリーズ 対談:食とセルフメディケーション

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連載Vol.2 「かかりつけ」から「お気に入り」へ 有限会社メディック代表取締役 水野 敦典氏(薬剤師)

有限会社メディック代表取締役 水野 敦典氏(薬剤師)

連載Vol.2 「かかりつけ」から「お気に入り」へ

Q:
薬剤師さんが私たちにセルフメディケーションについてアドバイスしてくれるのであれば、助かる人は多いと思います。
A:
現在、日本には58,000店もの調剤薬局があります。コンビニが51,000店ですから、それよりも多いと言うと驚く人もいるでしょう。これからは薬局も淘汰の時代に入ります。処方薬を調剤するだけでなく「健康サポート薬局」が大きなテーマになってきます。患者さんの相談にいろいろと乗ってくれるところも増えていますし、国もかかりつけ医やかかりつけ薬局を作りましょうという方針を唱えています。そうすればサプリメントや OTC※ も含めて、いろいろな視点から患者さんに対して健康についてのアドバイスができるようになるでしょう。
Q:
それが、水野先生がいつもおっしゃっている「お気に入り薬剤師」なのですね。
A:
僕は「お気に入り薬剤師」になることを目指そうと提唱しています。かかりつけという言葉はなんだか事務的だし、なんとなくモノを押しつけている感じがして…。それよりも「お気に入り薬局」とか「お気に入り薬剤師」のほうが、親しみがわくじゃないですか。言葉一つでそれだけ違うんです。僕は薬剤師を指導するときに、お客様である患者さんが来店したら笑顔で挨拶しなさいということと、「薬剤師の〇〇です」と名前を名乗りなさい、と言っています。それだけでお客様との距離も縮まるし、そうすればいろいろな相談も受けやすくなる。お客様が聞きたいのは薬の名前や効能だけではなく、今の自分の体の具合にこの薬が合っているのかということなんです。人間の顔が十人十色なように、病気も一人ひとり全部違いますからね。
Q:
薬を飲むとすぐに胃が荒れてしまうとか、その人なりの情報もありますものね。
A:
その通りです。そういったことを踏まえて、例えば「塩分を控えてくださいね」とか食の切り口からもアドバイスができれば、「かかりつけ薬剤師」から一歩進んだ、「お気に入り薬剤師」になれるはずです。
※OTC
Over The Counter の略。処方箋がなくても買える一般用医薬品のこと。

VOL.3 へ続く >>

水野 敦典(みずの・のぶおき)
プロフィール
有限会社メディック(マスタリーE&T研究所)代表取締役・薬剤師。東京薬科大学卒。
田辺製薬株式会社・アポプラスステーションを経て1999年に有限会社メディック設立。調剤薬局のマネジメントやコンサルティングなどに携わる。また「医療・医薬品情報研究会」代表として様々なジャンルの講師を招いてセミナーを開催、その数は200回を超える。
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