セルフメディケーション シリーズ 対談:慢性病の根本解決を目指す「機能性医学」を推進したい- 2.牧草飼育牛肉をすすめる理由

セルフメディケーション シリーズ 対談:慢性病の根本解決を目指す「機能性医学」を推進したい- 2.牧草飼育牛肉をすすめる理由

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連載vol.2 牧草飼育牛肉をすすめる理由

斎藤糧三先生 (医師 / 日本機能性医学研究所所長)

連載vol.2 牧草飼育牛肉をすすめる理由

池田
先生は日本初の牧草牛専門店「SAITO FARM 麻布十番」をプロデュースされていらっしゃいます。なぜ牛肉のお店を始めようと思われたのですか?
斎藤糧三先生
斎藤
ケトジェニックダイエットを多くの人に知ってもらうために、まずはタンパク質を摂りましょうというところから伝えていこうと。それで一般の人がより理解しやすいように、肉を食べてタンパク質を摂る「肉ダイエット」という切り口でメディアに出るようになったんです。
池田
「肉食女子」という言葉がメディアに登場したように、お肉が好きな女性は多いですものね。
斎藤
はい。タンパク質を摂るには牛肉でなくてもいいんですが、例えば魚、養殖サーモンではダイオキシンの汚染などの問題があります。また、養殖魚の多くに言えることですが、餌の影響で油のバランスが変わってしまい、本来魚が持つ栄養的なメリットが薄れてしまいがちな傾向があります。
池田
魚なら何でもいいというわけではないんですね。
斎藤
ええ。さらに乳製品は、食物過敏症(遅延型アレルギー)を起こしやすいと言われており、毎日摂取していると食物過敏症のリスクが高まります。そこで何がいちばんいいのかと調べていたら、牧草飼育牛肉(グラスフェッドビーフ)にたどり着きました。
国産牛肉のほとんどは穀物を飼料として与える「穀物肥育牛」です。穀物肥育牛には必須脂肪酸のオメガ6が多く含まれており、こればかり食べていると体内の炎症が増えてしまいます。一方、牧草牛はオメガ3と6のバランスが理想的で、ぜひこれを広めたいと思ったんです。
店を開くにあたっては最上のものをと、あちこちリサーチしました。ニュージーランドだけでなく、日本でもすでに黒毛和牛を放牧するという試みがされていたので、生産者やそれに携わる人たちを応援したいという気持ちもあり、「SAITO FARM 麻布十番」をつくったのです。牛肉には、食生活で不足しがちな亜鉛が多く含まれているのもポイントで、牧草牛はほかの肉と比べて亜鉛の量が多く、だいたい1日200g食べれば必要な量の亜鉛が摂れるんですよ。そういった意味でも、牧草牛は優れた食材と言えます。

VOL.3 近日公開予定>>

斎藤 糧三(さいとう・りょうぞう)
プロフィール
医師。日本機能性医学研究所所長。1973年東京都生まれ。1998年日本医科大学を卒業後、産婦人科医に。その後、機能性医学をいち早く日本に紹介するべく日本機能性医学研究所を設立、日本で初めての認定医となる。現在、日本ファンクショナルダイエット協会副理事長、ナグモクリニック東京・アンチエイジング外来医長、サーモセルクリニック院長などを務める。栄養療法、アレルギーの根本治療、ケトジェニックダイエットの啓蒙、指導など、得意分野は多岐にわたり活動は幅広い。著書・監修本に『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』(光文社新書)、『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる! ケトジェニックダイエット』(講談社)など多数。

「調剤薬局ジャーナル」2019年7月号より転載

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