慢性病の根本解決を目指す「機能性医学」を推進したい- 4.慢性病を改善する機能性医学の考え方

慢性病の根本解決を目指す「機能性医学」を推進したい- 4.慢性病を改善する機能性医学の考え方

連載Vol.4.慢性病を改善する機能性医学の考え方

斎藤糧三先生 (医師 / 日本機能性医学研究所所長)

連載Vol.4.慢性病を改善する機能性医学の考え方

池田
健康のために食生活を見直すのはとても重要なことで、それは先生が提唱されている機能性医学にもつながりますね。
斎藤
はい。僕が日本機能性医学研究所をつくったきっかけというのが、昔自宅で鴨の燻製を作っていて、それがかびてしまったんです。大丈夫だろうと思って食べたら、その日からお腹がおかしくなってしまって…。1週間後には手足に湿疹が出て、1か月後には膝が痛くなりました。つまり、腸に問題があれば全身的に影響が出てしまうというのを実感したんです。それがきっかけで腸内環境と食物の関係を調べるようになり、アメリカで機能性医学と出合ったのです。
池田
単に食中毒の原因ではなく、そこから広げて、食生活と体の具合は不可分に結びついていると感じられたのですね。
斎藤
機能性医学は、できるだけ薬に頼ることなく、食事、生活習慣などの根本的な原因に着目して回復を図る医療です。これを日本で普及したいと思いました。具体的には栄養療法になりますが、その一環でサプリメントを開発しました。腸内バリアを再生するような処方を施したくて、タンパク質を補いながら、腸内フローラの乱れを整えるサプリメントなどを作りました。
斎藤糧三先生
池田
先生は健康へのアプローチが多彩ですよね。調剤薬局でもセルフメディケーションをテーマに取り組む薬局が増えています。薬剤師さんはお薬を出す立場なので、患者さんがどういう病気か、どんな症状があるかを把握できますから、それこそその方に合致した食生活やサプリメントをアドバイスすると喜ばれるんじゃないでしょうか。
斎藤
そうですね。たとえば、抗生物質を処方されると、だいたい1カ月くらいで腸内フローラは元に戻るのですが、その戻りを手伝うような食事上のアドバイスをするといいと思いますね。他にも、水溶性の食物繊維をすすめるとか、薬の効果と逆行しないよう配慮は必要ですが、こういったアプローチもできます。
池田
それはありがたいですね。抗生物質を摂ると腸内に影響が出るということを患者さん自身が知っていたとしても、薬剤師さんの方から「お食事はこんなものを食べたほうがいいですよ」と教えていただけたら、すごく嬉しいと思います。

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斎藤 糧三(さいとう・りょうぞう)
プロフィール
医師。日本機能性医学研究所所長。1973年東京都生まれ。1998年日本医科大学を卒業後、産婦人科医に。その後、機能性医学をいち早く日本に紹介するべく日本機能性医学研究所を設立、日本で初めての認定医となる。現在、日本ファンクショナルダイエット協会副理事長、ナグモクリニック東京・アンチエイジング外来医長、サーモセルクリニック院長などを務める。栄養療法、アレルギーの根本治療、ケトジェニックダイエットの啓蒙、指導など、得意分野は多岐にわたり活動は幅広い。著書・監修本に『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』(光文社新書)、『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる! ケトジェニックダイエット』(講談社)など多数。

「調剤薬局ジャーナル」2019年7月号より転載

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