セルフメディケーション シリーズ 対談:医学と異分野をつなげる「橋渡し役」に- 4.患者さんに寄り添いセルフメディケーションをサポート

セルフメディケーション シリーズ 対談:医学と異分野をつなげる「橋渡し役」に- 4.患者さんに寄り添いセルフメディケーションをサポート

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連載Vol.4.患者さんに寄り添いセルフメディケーションをサポート

大村光代先生 (医師 / ファルメディコ株式会社代表取締役社長)

連載Vol.4.患者さんに寄り添いセルフメディケーションをサポート

池田
まさに先生の今までのご経験やネットワークが活かせるお仕事ですね。最後に、セルフメディケーションとこれからの薬剤師の役割について、お聞かせください。
大村
私にとってもセルフメディケーションは身近なものです。風邪薬がもらえなくて飲んだドイツのハーブシロップも、ひとつのセルフメディケーションですよね。国によって違いがあるように、人それぞれ考えがあり、一人一人セルフメディケーションのやり方は違うと思います。私自身は、栄養は食事で摂ればいいと考えるほうで、とても食いしん坊なのですが、サプリメントで補う人もいるでしょうし、自分に合った方法で健康を保つのが長続きしますよね。体調を崩し、健康維持に悩んでいる人に対して、身近にいる薬剤師が単に薬の説明をするだけではもったいないと思います。
池田
AIではできない、人間だからこそできることが、これからの薬局にはますます重要になってきますものね。
大村
AIの話ですと、たとえばAI技術により車の自動運転はできても、渋滞時にアイコンタクトで譲り合うようなことはできないそうです。医学の世界も同じで、AIの判断がいつも最善とは限らない。データには表れないところに人間が入らないと、最適なものには到達できないんだろうなと感じます。
池田
人間にしかできないところに付加価値があり、薬剤師の役割もそこにあるということですね。好奇心を持ち続け、さまざまな課題を乗り越えた先に、いろんなことができる自分になっている…。先生の前向きな姿勢とキャリアは、若い薬剤師の人たちに勇気を与えるのではと思います。チャレンジあるのみ! 今日はどうもありがとうございました。
大村光代先生

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大村光代(おおむら・みつよ)
プロフィール
東京都出身。医学博士、MBA、薬剤師。1983年に明治薬科大学薬学部卒業後、慶應義塾大学病院整形外科の研究助手を経て、株式会社津村順天堂(現・株式会社ツムラ)に入社。その後、メルクジャパン株式会社(現・メルク株式会社)へ転職、勤務を続けながらテンプル大学大学院にて経営学修士修了。2003年よりベンチャー企業の経営に関わったのち、2007年、慶應義塾大学医学部大学院博士課程医学研究科入学。2015年に医学博士号取得。現在、同大学特任講師。同大学病院 臨床研究推進センター広報部門 部門長兼 トランスレーショナルリサーチ部門 連携支援ユニット ユニット長を務める。

「調剤薬局ジャーナル」2020年1月号より転載

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