西洋医学と東洋医学の融合で、ガン患者を救う! 横内醫院院長 横内正典氏

西洋医学と東洋医学の融合で、ガン患者を救う!  横内醫院院長 横内正典氏

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連載Vol.4.がん専門薬剤師の方へ患者さんの免疫力アップのために力を貸して

横内醫院院長 横内正典氏

連載Vol.4.がん専門薬剤師の方へ患者さんの免疫力アップのために力を貸して

池田
ガンに限らず、患者さんにとって医師や病院との出会いはとても重要だと思います。お医者様を選ぶためのアドバイスはありますか?
横内
残念なことに、現在は医師の専門分野が細分化しすぎてしまい、自分の専門分野しか診察しない医師が増えています。脈もとらない、舌も見ない、触診もしない。電子カルテばかり見ている医師が多いという印象を持っています。
それを反省してか、総合診療科というのができましたが、これも西洋医学に則った総合診療です。東洋医学、つまり漢方や針をガン治療として併用しているところはほとんどありません。
池田
患者さんの顔を見てきちんと話してくださる医師を選ぶというのは、良いアドバイスになりますね。2009年に「がん専門薬剤師」という制度ができました。医療の高度化に伴い、ガンの薬物療法などについて高度な知識と技術、そして臨床経験を有する薬剤師を養成し、患者さんに良質で安全な医療を提供するという目的でできた制度です。でも、現在の登録人数は全国でまだ600人程度。まだまだ足りていないのが現状です。
大学病院の門前薬局などではガン患者と接する薬剤師も多いと思うのですが、先生からアドバイスをいただけますか。
横内
西洋医学のウイークポイントは、免疫力をアップさせる薬がないことです。残念ながら今の厚生労働省が認めている漢方薬は抗ガン漢方ではありませんが、免疫力を高める漢方ならたくさんあります。ガンとの闘いもまずは体力を増強し、免疫力を高めること。長年の経験と実績により、患者さんの体質やガンの進行状況などに合わせて漢方薬を組み入れ、少しずつ症状を改善させることが可能だと、私は確信しています。
ですから、がん専門薬剤師の方には、免疫力を高める漢方を勉強してほしいと思います。ただし、薬の処方は医師にしかできません。医師の処方箋と患者さんの病状、生活習慣を見て、漢方薬を提案できるような薬剤師は素晴らしいと思いますね。
患者さんが医師と接する診察時間は限られています。その分、頼りにされるのは薬剤師です。漢方に限ったことではなく、常に患者さんの立場に立ち、良い関係性を築いてもらいたいですね。
池田
薬剤師さんのほうから患者さんに寄り添っていくということですね。お忙しい中、本日はありがとうございました。
池田 貴子氏(マザーレンカ社長)

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横内正典(よこうち・まさのり)
プロフィール
1944年、中国旅順市生まれ。71年、弘前大学医学部卒業、函館市立病院外科に勤務。73年、弘前大学医学部第二外科学教室に入局し、消化器癌を研究。82年、青森県町立田子病院長として赴任。94年、漢方と気功による癌治療を実践すべく東京都東中野に横内醫院を開業、全国から末期癌の患者がひっきりなしに訪れることで知られる。医療法人社団心醫会 横内醫院院長。著書に『究極の癌治療』(光雲社)、『絶望を希望に変える癌治療』『抗癌剤の副作用で苦しまないために』(たま出版)等、多数。

「調剤薬局ジャーナル」2020年9月号より転載

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